2015年4月20日月曜日

Lapdock for Motorola Atrixを使ってRaspberry Pi 2をモバイルPCにしてみた

はじめに

最近、仕事でRaspberry Piのデスクトップ環境を使う機会が増えているのですが、HDMI液晶ディスプレイ、キーボード、マウスを常に用意しておくのは場所をとるのであまり嬉しくありません。

省スペース化する何かいい方法はないかと調べてみると、海外で販売されているスマートフォン用ドック「Lapdock for Motorola Atrix」をRaspberry Piで使うというのがメジャーなようで、ksksueさんによる下記のページが非常によくまとまっていましたので参考にさせて頂きました。
最終的には、下記のようにRaspberry Piと補助基板をこのLapdockの背面に貼り付け、モバイルPCのように使えるようにしてみました。LapdockとRapsberry Piの両方をバッテリー駆動できていますので、移動中に膝に乗せて使うことも可能です。


背面に貼り付けず、もう少し配線が見えるようにした写真が下図です。


手順

Lapdock for Motorola Atrixは、ebayを検索し、「Buy It Now(ヤフオクでいういますぐ落札)」でInternational Shippingが可能なものを探すとイスラエル発送のものが最安値だったのでそちらで注文しました。

またこのLapdockをRaspberry Piに接続するためにはいくつか必要なケーブルやコネクタなどがあり、これらも全て「Beaglebone BlackやRaspberry Piを使うときのオススメガジェット Lapdock(ksksueさん)」で紹介されているものを購入しました。

LapdockとRaspberry Piの接続の概略は下図(A)のようになります。旧型のRaspberry Pi Model A/BではLapdockのUSBをRaspberry PiのUSB端子に接続するだけでRaspberry Piが起動しました。これはLapdockのUSB端子にスマートフォン充電用の5Vが供給されているからですが、Raspberry Pi Model A/BがUSB端子からの給電で起動するのは今回初めて知りました。


しかし、Raspberry Pi Model A+/B+やRaspberry Pi 2では下図(A)のように別途5Vの電源を接続しなければRaspberry Piは起動しません。すると、図(A)の通りLapdockとRaspberry Piとで2系統の電源が必要になり、あまりスマートではありません。

そこで、図(B)のように、LapdockのUSB端子からの信号を電源とUSB信号の2つに分配し、外部電源をLapdockの1系統に統一することにします。Lapdockにはバッテリーも搭載されているため、アダプタを接続しない状態でもRaspberry Piに給電することができ、モバイルでの利用も可能になります。

参考にしたのはYouTube動画「Raspberry Pi Laptop with Atrix 4G Dock (by Adafruit Industries)」ですが、この動画の通りにケーブルを分割するのは少し面倒です。なるべく作業を楽にするため、簡単な補助基板を作成することにしました。必要なものは下記のとおりです。
これらを下図のように配線します。なお、AタイプのUSBコネクタですが、4つの端子を基板にはんだづけするだけではグラグラして不安定なので、ホットボンドで基板に固定しました。


補助基板が完成したら、Raspberry Piの5V電源とUSB端子との両方に接続しますが、どちらも市販の「USB(A)オス-USB(Micro B)オス」ケーブルを用いることができます(冒頭の2枚めの図をよく見ると接続の様子が見えます)。

以上でRaspberry Piをモバイルで利用することが可能になりました。必要な物品の一覧は下図のようになります。最もかさばるのは左上に見えるLapdockのアダプタですが、バッテリーで動作させるならばこのアダプタは不要です。


さらに、冒頭で述べたように、ケーブル類やRaspberry Pi本体をLapdockの背面に貼り付けると、さらに快適になりました。Raspberry PiをノートPC化するPi-Topも持っていますが、キーボードがまともな分、このLapdockの方が断然使いやすいですね。


作り方は単純で、例えばこんな感じの耐震マットで
  • ケース入りのRaspberry Pi
  • 上記の自作基板
を背面に貼り付けているだけです。ただし、ユニバーサル基板には耐震マットはほとんど貼りつかないので、基板にプラ板などをネジ止めし、そのプラ板を貼りつけるようにしています。

なお、短くてやわらかいHDMIケーブルが必要になったので、米amazonでこちらを購入してみました。日本でも似たようなものは売ってないでしょうか?

おわりに

もちろん、Raspberry PiだけではなくBeagleBone BlackやOdroidなども起動できます(下図はOdorid U3)。スタバでLinuxボードでドヤリングしたい方は是非。




「ラズパイ4対応 カラー図解 最新 Raspberry Piで学ぶ電子工作」、「実例で学ぶRaspberry Pi電子工作」、「Raspberry Piではじめる機械学習」を執筆しました。

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